オルタネーター

(IC)オルタネーターってなに?

いわゆる発電器のことで、充電装置とレギュレータから構成され、バッテリーの充電及び各電気装置への電力供給を行います。ベルトを介してエンジンにより駆動します。レギュレータをICで制御する物を特にICオルタネータと言いますが、最近はほとんどがこのタイプです。

バッテリーはスターターの駆動とエンジン停止中に必要な電源であり、オルタネーターはエンジン回転中(走行中)にはたらく電源と言えます。さらにオルタネーターはバッテリーの充電を行い、いつでもバッテリーが使用できる状態に保つ役割があります。

バッテリーが正常でも充電系に異常があればバッテリーあがりが起きます。オルタネーターは距離を走れば確実に充電量が低下してくるので要注意です。

経年劣化(=走行距離・年式等)として、回転部(ローター)に通電するブラシの摩耗や、ダイオードの損傷などが起こりやすく、充電不足によるバッテリーあがりを引き起こします。またベアリングの不具合によるがたつきなども発生しがちです。

インナーパーツ

ブラシ

回転部分に通電するためのカーボン製のパーツで、モーターや発電器などではその構造上欠かせない消耗部品。オルタネーターではコイルで発生した電流を取り出す重要な部分で、スプリングによりローターのスリップリングに常に圧接している。回転による摩擦で摩耗が進むと充電量が落ちてくる。

ローター

中央にローターコイルが巻かれ、それを前後から挟むように磁極(ボールコア/画像の茶色の三角形を並べたように見える部分。)がある。コイルに電流が流れると片方の磁極(円盤)がN極となりもう1方がS極となる。
シャフトの先端、スリップリングはブラシが当たる部分で、回転摩擦によりブラシと共に摩耗が生じる。

ステーターコイル

オルタネーターの後ろ半分を占めるパーツで、ステーターにはコイルが巻かれており、ローターの回転に伴い交流電流が発生する。
コイルの表面はエナメルで被覆されており、焼き付き等で損傷すると隣接した線同士が通電してしまいコイルとしての機能が損なわれてしまう。

レクチファイア(ダイオード)

レクチファイアはいくつかのダイオードで構成される。ダイオードは順方向に電圧をかけるとわずかな電圧でも電流が流れ、逆方向には流れないという性質を持ち、これを利用してステーターコイルに発生した交流を直流に変換(整流)している。
過度の使用等によりいわゆる「オープン」と呼ばれる損傷を起こし、半導体としての機能が損なわれてしまうことがある。

ICレギュレーター

1つの基盤上に導体や抵抗などで構成され、それをトランジスタ、ダイオードなどの半導体で覆った物。ICレギュレータは接点がないのでフィールド電流を大きく取れる利点があり、小型化できる。
出力電圧が低いときはフィールド電流を流し出力を上げ、出力電圧が高いときは下げるという、調整電圧を範囲内に保つ重要な働きがある。つまりオルタネーターで発生した電流の電圧をバッテリーを充電したり各電気装置を作動させるための適正電圧に保つ働きをしており、これが故障すると充電できなかったり逆にオーバーチャージという事態を引き起こす。

ベアリング

回転摩擦を低減するために2重のケースの間にボールやローラーを組み込んだ部品で、車両各部に多用されている。ボールが摩耗してくると振動や異音が発生し、センターが狂って振れ出すと効率が落ち、ベルトの駆動にも影響が出る。放置して万一破損すれば回転ロックという最悪の事態に至る。材質の進歩で寿命が延び、内部洗浄・グリス詰替というメンテナンスは現在はあまり行わない。

SCオルタネーターってなに?

2000年頃から随時採用され始め、最近の車には出力性能や効率の優れたSC(セグメントコンダクタ)オルタネーターと呼ばれる新しいタイプの物が搭載されることが多くなっています。画像は04年のホンダ・オデッセイ(RB1)ですが、視覚的に最も特徴的なのはステーターコイルで、従来の巻線ではなく「角形銅線(セグメント)」で構成されています。

SCオルタネーター

ステーターコイル/左が従来のタイプ、右がSCオルタネーター

ローター/左が従来のタイプ、右がSCオルタネーター

レクチファイア(ダイオード)/左が従来のタイプ、右がSCオルタネーター

* 構造上簡易整備や部分修理には対応できない場合がありますのでご注意ください。
(詳しくはそれぞれのページをご覧ください。)
* オーバーホールに付きましては手順や内容に違いはありますが、対応可能です。

 

 

 

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