(IC)オルタネーターってなに?
バッテリーはスターターの駆動とエンジン停止中に必要な電源であり、オルタネーターはエンジン回転中(走行中)にはたらく電源と言えます。さらにオルタネーターはバッテリーの充電を行い、いつでもバッテリーが使用できる状態に保つ役割があります。
バッテリーが正常でも充電系に異常があればバッテリーあがりが起きます。オルタネーターは距離を走れば確実に充電量が低下してくるので要注意です。
経年劣化(=走行距離・年式等)として、回転部(ローター)に通電するブラシの摩耗や、ダイオードの損傷などが起こりやすく、充電不足によるバッテリーあがりを引き起こします。またベアリングの不具合によるがたつきなども発生しがちです。
インナーパーツ
ブラシ
ローター
シャフトの先端、スリップリングはブラシが当たる部分で、回転摩擦によりブラシと共に摩耗が生じる。
ステーターコイル
コイルの表面はエナメルで被覆されており、焼き付き等で損傷すると隣接した線同士が通電してしまいコイルとしての機能が損なわれてしまう。
レクチファイア(ダイオード)
過度の使用等によりいわゆる「オープン」と呼ばれる損傷を起こし、半導体としての機能が損なわれてしまうことがある。
ICレギュレーター
出力電圧が低いときはフィールド電流を流し出力を上げ、出力電圧が高いときは下げるという、調整電圧を範囲内に保つ重要な働きがある。つまりオルタネーターで発生した電流の電圧をバッテリーを充電したり各電気装置を作動させるための適正電圧に保つ働きをしており、これが故障すると充電できなかったり逆にオーバーチャージという事態を引き起こす。
ベアリング
SCオルタネーターってなに?
2000年頃から随時採用され始め、最近の車には出力性能や効率の優れたSC(セグメントコンダクタ)オルタネーターと呼ばれる新しいタイプの物が搭載されることが多くなっています。画像は04年のホンダ・オデッセイ(RB1)ですが、視覚的に最も特徴的なのはステーターコイルで、従来の巻線ではなく「角形銅線(セグメント)」で構成されています。
SCオルタネーター
ステーターコイル/左が従来のタイプ、右がSCオルタネーター
ローター/左が従来のタイプ、右がSCオルタネーター
レクチファイア(ダイオード)/左が従来のタイプ、右がSCオルタネーター
* 構造上簡易整備や部分修理には対応できない場合がありますのでご注意ください。
(詳しくはそれぞれのページをご覧ください。)
* オーバーホールに付きましては手順や内容に違いはありますが、対応可能です。